矯正治療は保険適用されるの?保険適用となる条件と医療費控除について
皆さん、こんにちは。
前橋市龍蔵寺町の歯科【エール歯科矯正歯科クリニック】です。
矯正治療は、基本的に医療保険が適用されない自由診療です。
まれに矯正治療が保険適用になるケースがあると聞いて、「私の歯並びはどうなのだろう?」や「どんなケースだと保険適用となるの?」と気になる方がいらっしゃるかもしれませんね。
そこで今回は、矯正治療が保険適用となる条件についてお伝えさせていただきます。
あわせて、医療費控除についてもお伝えしますので、矯正治療を受ける際の費用について気になっている方は、お役立てください。
山田 裕之 院長
2003年 岩手医科大学 歯学部 卒業2007年 岩手医科大学 大学院 歯学研究科 博士課程 修了
2007年 岩手医科大学 歯学部 口腔保健育成学講座歯科矯正学分野 常任研究員
2012年 岩手医科大学 歯学部 口腔保健育成学講座歯科矯正学分野 助教 任用
2019年 岩手医科大学 歯学部 口腔保健育成学講座歯科矯正学分野 退職
2019年 エール歯科矯正歯科クリニック 開院
Contents
矯正治療は一般的に保険適用されない治療方法です
病気やケガの治療費は保険適用のため、治療費の負担を軽減させることができます。
矯正治療の多くは、「歯並びの見た目を美しく整える」審美目的の治療となるため、医療保険が適用がされないのです。
しかし、まれに矯正治療が保険適用となるケースがありますので、その条件を紹介します。
矯正治療が保険適用となる3つの条件
矯正治療は一般的には保険適用外の治療となりますが、厚生労働省が認めた特定の症例や条件に該当する場合は保険適用となることがあります。
次のような条件に当てはまる場合は、機能的に問題がある「治療が必要な疾患」と認められ、保険適用となるのです。
では、3つの条件をみていきましょう。
条件1.先天性のかみ合わせの異常
生まれつきの病気である先天性疾患の中には、歯並びやかみ合わせに悪影響を与えるものがあります。
現在、60個ほどの先天性疾患で保険適用の矯正治療が認められています。
(参照:厚生労働省「保険診療の理解のために」〈令和5年度〉p21、22) >
条件2.前歯3本以上の永久歯が生えてこない
永久歯が3本以上埋状しており正しく生えてこない状態です。
歯ぐきを切って歯を萌出させる手術をする場合、保険適用で治療することができます。
条件3.顎の骨の形や大きさの異常
顎変形症といい、受け口や出っ歯などの骨格に重度の問題があり、機能障害が起きている状態です。
顎変形症は、外科的手術が保険適用の対象となります。
骨格の成長が落ち着いた後、できるだけ年齢が若いうちに治療を開始するといいでしょう。
年齢を重ねると、一般的に手術ではなくワイヤー矯正での治療が推奨されます。
保険適用になる歯科矯正の注意点
保険適用になる矯正治療の場合は、使用できる矯正装置に制限があります。
さらに、厚生労働大臣が指定した保険医療機関で治療を受けることが必要です。
矯正治療が保険適用になるかは歯科医師の判断が必要になるため、まずは歯科医師に相談されることをおすすめします。
また、保険適用の歯科矯正も医療費控除を受けられる場合がありますので、治療を受ける際は医療機関までお問い合わせください。
矯正治療と医療費控除
保険適用とならない自由診療の矯正治療でも、医療費控除を利用することで費用の負担を軽減させることにつながります。
しかしながら、審美目的の矯正治療は医療費控除の対象にはなりません。
では医療費控除の対象となる矯正治療には、どのような条件があるのかみていきましょう。
矯正治療が医療費控除の対象となる3つの条件について
医療費控除を利用するには、次のような3つの条件があります。
条件1.機能性の改善のため
歯並びに見た目だけでなく機能的な問題がある場合は、医療費控除の対象となります。
例えば、歯並びが整っていないために、かみ合わせが悪く咀嚼(そしゃく)に問題があるケースです。
歯並びの影響で発音が不明瞭な場合も、機能性の問題があるといえるでしょう。
条件2.子どもの場合
子どもの矯正治療では、成長段階で治療が必要であると診断された場合、医療費控除の対象となる可能性があります。
矯正治療を開始する段階では機能性に問題はなくても、治療をしなければ今後の子どもの成長において悪影響を及ぼすと判断されるのです。
条件3.年間の医療費が10万円以上
医療費控除の対象になる場合、年間の医療費が10万円以上であるという条件があります。
ただし年間の医療費というのは、1人あたりのことではありません。
生計をともにする、家族や親戚の医療費も合計することができるのです。
医療費控除に含まれる矯正治療に関係する費用と含まれない費用
医療費控除の対象であったとしても、治療に関係するすべての費用が控除に含まれるわけではありません。
ここからは、医療費控除に含まれる費用と含まれない費用についてみていきましょう。
医療費控除に含まれる費用
医療費控除に含まれる費用は次のようなものがあります。
・診療費、検査費
・矯正装置の費用
・矯正装置の調整費、処置費
・治療のために必要な医薬品の費用
・公共交通機関を利用した場合の交通費
医療費控除に含まれるのは、治療に必要な基本的な費用となっています。
交通費は公共交通機関を利用することが基本となりますが、通院が困難となる場合はタクシー料金も含まれるケースがあります。
医療費控除に含まれない費用
次に、医療費控除に含まれない費用をお伝えいたします。
・通院する際に使用した自家用車のガソリン代、駐車場代
・予防や健康のために使用した医薬品費
・デンタルローンやクレジットカードの分割払いでかかる金利
・診断書の発行
お子さんが矯正治療を受ける場合は、付き添い人の交通費も医療費控除の対象となります。
しかしここで注意をするのは、公共交通機関を利用した場合に限られるということです。
自家用車で通院した際の、ガソリン代や駐車場代などは含まれないので気をつけましょう。
交通費を申請する場合は、基本的に領収書が必要となりますが、バスや電車など領収書がでない場合は、通院した日程や利用した公共交通機関の交通費のメモをとりましょう。
医療費控除の対象となる金額の算出方法
次に、医療費控除の対象となる金額の計算方法についてお伝えします。
下記で紹介している式で計算した金額が、医療費控除の金額です。
医療費控除の金額は最高で200万円までとなっています。
総所得金額が200万円以上の場合
総所得金額が200万円以上であれば次の計算式にて算出できます。
(実際にお支払いした医療費の合計ー保険金などで補てんされる金額)ー10万円
総所得とは、収入から控除などを引いた金額であり、一般的に言う「手取り」の金額です。
総所得金額が200万円以下の場合
総所得金額が200万円以下の場合、次の計算式で算出します。
(実際にお支払いした医療費の合計ー保険金などで補てんされる金額)ー(総所得金額×5%)
変わるのは、「総所得金額×5%」の部分のみです。
(参照:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき〈医療費控除〉」) >
医療費控除を申請する際の方法
医療費控除を受ける際にはどのようにすればいいのでしょうか?
ここからは手続きの方法についてお伝えいたします。
給与所得者の場合
医療費控除を受けるためには、「医療費控除の明細書」を作成します。
作成した「医療費控除の明細書」は、確定申告書とともに管轄の税務署へ提出しましょう。
「医療費控除の明細書」を作成するためには、病院や薬局から発行された領収書が必要です。
領収証に記載されている治療や処置の合計金額から、年間の医療費を算出するのです。
医療控除に使用した領収書は、税務署から求められたときには提出または提示が必要になります。
受け取った領収証は必ず保管し、紛失しないように気をつけて、5年間保管しておきましょう。
給与所得者以外の場合
給与所得者以外の方が医療費控除を受ける際は、「医療費控除の明細書」で計算した医療費控除額を、確定申告の医療費控除の欄に記入します。
「医療費控除の明細書」の作成方法については国税庁の資料をご覧ください。
矯正治療の費用負担の軽減につながる支払い方法
次にご紹介する方法も金銭的負担を減らすことにつながるでしょう。
デンタルローンの利用
歯科治療費を分割して支払うためのローンです。
分割払いなら毎月の支払い負担を減らしたい場合に、無理なく治療を受けることができるでしょう。
デンタルローンは歯科治療に特化したローンのため、歯科治療以外の支払いにはご利用できません。
クレジットカードの分割払い
クレジットカードの分割払いも支払いを軽減させることにつながります。
クレジットカードを使用する目的として、ポイントが一つの大きな魅力となりますよね。
ポイントが貯まることで、結果的に矯正治療の費用を抑えられるでしょう。
当院の一般的な矯正治療にかかる費用について
当院の矯正治療に関係する検査や治療費用について詳しく記載しています。
小児矯正治療と成人矯正治療、小児矯正・成人矯正治療共有、事前の検査費用にわけて解説しておりますので、ご覧ください。
矯正治療の費用について気になる方は「エール歯科矯正歯科クリニック」へ
医療費控除は過去5年間にさかのぼって申告することができます。
申告を失念してしまっても、5年以内でしたら手続きが可能なのでご安心ください。
そのためにも、病院や薬局から発行された領収書は保管しておきましょう。
群馬県前橋市【エール歯科矯正歯科クリニック】の院長は、矯正歯科の専門的な歯科医として、多くの臨床経験を持っております。
矯正治療の費用や治療の方法などについて知りたいことや気になることがある方は、お気軽に当院までご相談ください。
当院はキッズスペースを設けているため、お子さんと来院されても待ち時間も退屈せずにお過ごしいただけます。
パウダールームにはおむつ交換台を設置してますので、おむつ交換のタイミングを心配せずに小さなお子さんにも来ていただくことが可能です。
※矯正歯科治療は、公的医療保険適用外の自費(自由)診療となります